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経営コラム

経営企画室に向いている人材とは。スキルより大事な資質

経営企画室を立ち上げたい。けれど、どんな人材を据えればいいのか分からない。MBAホルダーを採ればいいのか、コンサル出身者を引き抜くべきか。地方の中小企業でこの問いにぶつかるアトツギ経営者は少なくありません。

結論から言えば、経営企画室に必要な人材の条件は「スキルの高さ」ではありません。現場と経営のあいだに立ち、双方の言葉を翻訳できる胆力と姿勢。これが、地方アトツギ企業の経営企画室を機能させる唯一の条件です。

本記事では、経営企画室の人材に求められる資質を3つの切り口で解説します。採用や人選で迷っている方が、読み終えた直後に「うちの会社ならあの人だ」と顔が浮かぶ状態を目指します。

経営企画室の人材に「スキル一覧」が役に立たない理由

ネットで「経営企画室 人材」と検索すると、財務分析力、戦略立案力、プレゼンテーションスキルといった能力一覧がずらりと並びます。どれも間違ってはいません。ただ、それは大企業の経営企画部門の話です。専門人材が10名以上いて、分業が成立する環境を前提にしたスキルマップを、社員数十名の会社にそのまま当てはめても機能しません。

地方の中小企業で経営企画室を立ち上げるとき、最初に配置できるのは1名か2名。その人材が財務もできて、戦略も描けて、プレゼンも上手い。そんな完璧超人は、そもそも地方の中小企業には来てくれません。仮に来たとしても、現場の古参社員と信頼関係を築けなければ、どんな分析レポートも机上の空論で終わります。

あなたの会社で経営企画室を担う人材に本当に必要なのは、スキルの幅広さではなく、泥臭い現場に自分から入っていける覚悟です。では、具体的にどんな資質が求められるのか。3つに絞ってお伝えします。

資質1:現場と経営の「通訳」ができる人材

経営企画室が真っ先にぶつかる壁は、現場との断絶です。社長が描くビジョンと、現場が感じている日常のズレ。このギャップを埋められるかどうかが、経営企画室の存在意義そのものです。あなたの会社で、社長の言葉を現場の言葉に変換できる人は誰でしょうか。

たとえば社長が「生産性を上げたい」と言ったとき、現場は「また仕事が増えるのか」と受け取ります。同じ事実でも、届け方ひとつで意味が変わる。経営企画室の人材に求められるのは、この翻訳能力です。数字を読む力より、数字の裏にある感情を読む力。報告書を書く力より、現場の休憩室で雑談できる力。教科書には載っていませんが、これが地方中小企業の経営企画室を動かす原動力になります。

資質2:嫌われる覚悟を持てる人材

経営企画室は、社内で好かれるためのポジションではありません。部門横断の課題に横串を刺す以上、誰かの領域に踏み込むことになります。営業部長に「数字の根拠を見せてください」と言い、製造の現場に「この工程、本当に必要ですか」と問う。古参社員から「お前に何が分かる」と言われることもあります。

ここで折れる人は、経営企画室には向いていません。逆に、正論を振りかざして関係を壊す人も向いていません。必要なのは、嫌われる場面から逃げず、それでも相手への敬意を失わない胆力です。あなたの周りに、上にも下にも本音を言える人はいますか。その人は、社内で少し浮いているかもしれません。でも、その「浮き方」こそが経営企画室の人材としての適性です。

私たちが見てきた現場でも、最初に経営企画室に配置されて成果を出す人の多くは、社内で目立つエース社員ではありませんでした。むしろ、部署間の調整役を黙々とやっていた人、クレーム対応で矢面に立ち続けた人。そういう人が、経営企画の現場では力を発揮します。

資質3:「完璧な計画」より「小さな実行」を選べる人材

経営企画室というと、中期経営計画の策定や事業ポートフォリオの分析といった大きな仕事をイメージしがちです。しかし地方中小企業の経営企画室で最初に必要なのは、壮大な計画書ではありません。来週の会議で使う資料を1枚つくること。部門間で止まっていた情報を、今日中に届けること。そうした小さな実行の積み重ねが、社内の信頼を生みます。

「まず動ける」人材かどうか。これは採用面接だけでは見抜けません。社内で人選する場合も、過去の肩書きや資格ではなく、日頃の行動を見てください。指示される前に動いているか。完璧を待たずに60点で共有できるか。その判断基準を持つだけで、人選の精度は大きく変わります。あなたが今、頭に浮かべている候補者は、完璧主義者ですか、それとも実行主義者ですか。

まとめ:経営企画室の人材選びで迷ったら思い出すこと

本記事の要点を3つに絞ります。

  1. 経営企画室の人材に必要なのは、スキルの網羅性ではなく、現場と経営をつなぐ翻訳力である
  2. 嫌われる場面から逃げず、それでも相手への敬意を手放さない胆力が不可欠である
  3. 完璧な計画より、小さな実行を重ねて社内の信頼を積み上げられる人が成果を出す

経営企画室の人材は、外から連れてくるだけが正解ではありません。あなたの会社の中に、まだ光の当たっていない適任者がいるかもしれません。その人の名前が浮かんだなら、明日、声をかけてみてください。

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