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経営企画室の適正人員数。少数精鋭で機能させる設計

経営企画室の人員は、何人いれば足りるのか。組織図を描いてみたものの、手が止まる。大企業なら5人、10人と配置できますが、地方の中小企業にそんな余裕はありません。かといって社長一人で戦略も現場調整も数字管理も抱え続ければ、いずれ限界が来ます。

結論から言えば、経営企画室は1〜3名で十分に機能します。ただし「少人数だからなんとかなる」のではなく、「少人数だからこそ設計が要る」のです。人数の問題ではなく、役割と権限の設計の問題です。

本記事では、中小企業における経営企画室の適正人員数の考え方、少数精鋭で回すための具体的な設計方法、そして人を増やす前にやるべきことを解説します。

経営企画室の人員は「何人いるか」より「何を担うか」で決まる

教科書的には、経営企画室には企画立案・予算管理・中期計画策定・部門間調整といった機能が求められます。大企業ではこれらを分業し、各担当にそれぞれ人を配置します。しかし、社員数が30〜100名規模の会社でその真似をしても、まず回りません。人も足りなければ、そもそも分業するほどの業務量がない機能もあるからです。

あなたの会社で経営企画室に本当に必要な機能は何でしょうか。多くの場合、中小企業の経営企画室が最初に担うべき役割は「部門の間に落ちている仕事を拾うこと」です。営業と製造の間の納期調整、社長の方針と現場の動きのズレ修正、数字の見える化。こうした横串の仕事こそが、最初の一手になります。

つまり、人員数を決める前に「この会社では経営企画室が何を担うのか」を絞り込む作業が先です。機能を絞れば、必要な人数は自ずと見えてきます。全部やろうとするから5人必要に見える。1つに絞れば、1人で始められます。

中小企業の経営企画室は1〜3名が現実解である理由

1名体制で成立する条件

経営企画室を1名で立ち上げるケースは少なくありません。社長の右腕として、会議の準備・議事録・数値管理・各部門へのヒアリングを一人で回す形です。この体制が成立する条件は、その1名が社長と週に複数回、短時間でもすり合わせできる距離にいること。そして、各部門長が「経営企画室の人間が聞いてくることには答える」という空気が社内にあることです。

逆に言えば、社長との接点が月1回の報告会だけ、現場からは「あの人は何をしている人かわからない」と思われている状態では、1名どころか何名いても機能しません。人員の前に、社内での立ち位置を設計する必要があります。

2〜3名体制で広がる守備範囲

2名になると、片方が数字の管理、もう片方が現場との調整役という分担が可能になります。3名いれば、プロジェクト単位で動ける余裕が生まれます。ただし、ここで陥りがちな罠があります。人を増やした瞬間に「経営企画室の中の分業」が始まり、部門間の横串を刺すはずの組織が、自分たちの中でタコツボ化するのです。

あなたの会社で経営企画室を2名以上にするなら、問いかけてみてください。「この2人目は、何の課題を解決するために必要なのか」と。答えが「なんとなく忙しいから」であれば、まだ早いかもしれません。

人を増やす前にやるべき3つの設計

経営企画室の人員を増やしたくなるとき、その多くは「業務が回らない」という感覚から来ています。しかし現場を見ると、回らない原因は人手不足ではなく、設計不足であることがほとんどです。人を足す前に、以下の3つを点検してみてください。

1つ目は「会議体の整理」です。経営企画室が参加すべき会議と、議事録だけ共有すれば済む会議を分けるだけで、稼働時間は大きく変わります。2つ目は「情報の流れの設計」です。各部門からの数字や報告が、毎回バラバラのフォーマットで届いていないか。定型化するだけで、集計作業は半分以下になります。3つ目は「社長の判断基準の言語化」です。社長の頭の中にある判断軸が言葉になっていないと、経営企画室は毎回「社長に確認」で動きが止まります。

この3つが整っていない状態で人を増やしても、混乱が増えるだけです。大手コンサルが描く理想的な組織図は、この泥臭い下地があって初めて意味を持ちます。あなたの会社では、この下地はどこまで整っていますか。

まとめ:経営企画室の人員設計は「引き算」から始める

本記事のポイントを3つに整理します。

  1. 経営企画室の人員数は、担う機能を絞り込んでから決める。全部やろうとしない
  2. 中小企業では1〜3名が現実的な適正人員。1名でも、社長との接点と社内の立ち位置が設計されていれば機能する
  3. 人を増やす前に、会議体・情報の流れ・社長の判断基準の3つを整理する。設計なき増員は混乱を生む

経営企画室は、人数で勝負する組織ではありません。少ない人数だからこそ、余計なものを削ぎ落とし、一手一手に意味を持たせられる。それは大企業には真似できない、中小企業の戦い方です。

まずは「自社の経営企画室が最初に担うべき仕事は何か」。その問いに、今夜向き合ってみてください。

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