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経営企画室のデメリット。設置しても機能しない会社の共通点

経営企画室を設置したものの、まるで機能していない。そんな悩みを抱えていませんか。社長の右腕になるはずだった部署が、いつの間にか資料作成係になり、現場からは「何をやっているかわからない部署」と陰で言われている。地方の中小企業では、この手の話が驚くほど多いのが現実です。

経営企画室のデメリットは、組織や運用の問題というより「設置の仕方」に原因があります。つまり、経営企画室そのものが悪いのではなく、社長と現場の間に正しく橋を架けられていないことが、機能不全の正体です。

本記事では、経営企画室が抱えがちなデメリットを整理したうえで、設置しても動かない会社に共通するパターンと、それを回避するための考え方を解説します。

経営企画室のデメリットは「部署の問題」ではなく「設計の問題」

経営企画室のデメリットとしてよく挙がるのは、「コストセンターになりやすい」「成果が見えにくい」「現場と対立しやすい」といった点です。どれも事実ですが、これらは経営企画室という機能そのものの欠陥ではありません。設計と運用の問題です。

たとえば、社長が「とりあえず経営企画室をつくれ」と号令をかけ、人事部や総務部から1〜2名を異動させる。ミッションは曖昧で、最初の仕事は中期経営計画の資料づくり。現場は「また上が何か始めた」と冷ややかに眺める。こうして、誰にも必要とされない部署がひとつ増えます。

あなたの会社の経営企画室は、何のために存在していますか。この問いに即答できないなら、設計の段階でボタンを掛け違えている可能性があります。教科書的には「全社戦略の立案と推進」が役割とされますが、中小企業の現場では、戦略を立案する前にやるべきことが山ほどあるのです。

機能しない経営企画室に共通する3つのパターン

パターン1:社長の「伝書鳩」になっている

社長の指示を現場に伝え、現場の報告を社長に戻す。それだけの中継地点になっている経営企画室は少なくありません。これでは部署を設置した意味がなく、むしろ伝言ゲームで情報が歪むデメリットだけが残ります。経営企画室に必要なのは、情報を右から左に流す機能ではなく、社長の言葉を現場が動ける粒度に翻訳し、現場の本音を社長が判断できる形に変換する力です。

パターン2:現場経験のない人材だけで構成されている

「分析ができる人」を配置しがちですが、現場を歩いたことがない人間がつくる戦略は、現場に刺さりません。古参社員は面と向かって反対しなくても、静かに無視します。あなたの経営企画室のメンバーは、工場や店舗の空気を肌で知っていますか。数字を読む力と、現場の温度を感じ取る力。両方がなければ、経営企画室はただの分析室で終わります。

パターン3:「計画をつくること」がゴールになっている

立派な中期経営計画書が完成し、製本までされて棚に並んでいる。しかし、現場の誰もその内容を覚えていない。一般論では「計画策定が経営企画室の主要業務」とされますが、中小企業において計画は手段にすぎません。計画よりも先に、部門間の壁を壊し、社長と現場の間にある見えない溝を埋めること。泥臭い横串の仕事こそが、地方中小企業の経営企画室に求められる本来の役割です。

経営企画室のデメリットを回避するために必要な視点

では、どうすれば経営企画室を「コスト」ではなく「武器」にできるのか。答えは、最初の90日で何をするかにあります。いきなり戦略を描くのではなく、まず全部門のキーパーソンと1対1で話を聞く。現場が本当に困っていること、社長には言えない不満、部門間で噛み合っていない業務フロー。これらを自分の足で集めることが、経営企画室の信頼の土台になります。

もうひとつ見落とされがちなのが、「嫌われ役を引き受ける覚悟」です。部門最適を崩して全社最適に舵を切るとき、必ず誰かの既得権に触れます。それを社長一人で背負えば、社長と現場の関係が壊れる。経営企画室が間に立ち、摩擦を引き受けることで、組織は前に進みます。あなたの会社には、社長の代わりに嫌われてくれる存在がいますか。

経営企画室のデメリットは、裏を返せば「正しく機能したときのインパクトの大きさ」の証明でもあります。コストがかかるのは、それだけ組織の中枢に関わる仕事だからです。失敗のリスクがあるのは、現状を変える力を持っているからです。問題は、その力を発揮できる設計と運用ができているかどうか。ここに尽きます。

まとめ:経営企画室のデメリットを「設計」で潰す

本記事のポイントを3つに整理します。

  1. 経営企画室のデメリットの大半は、部署の構造ではなく設計と運用のミスに起因する
  2. 機能不全の共通パターンは「伝書鳩化」「現場不在」「計画偏重」の3つである
  3. 最初の90日で現場の声を集め、嫌われ役を引き受ける覚悟を持つことが成否を分ける

経営企画室は、つくるだけなら簡単です。しかし、社長の孤独を分かち合い、現場との間に橋を架け、組織を動かす存在にまで育てるには、設計の段階から泥臭く考え抜く必要があります。

もし今、「うちの経営企画室、このままでいいのか」と少しでも感じているなら、その違和感を放置しないでください。

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