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経営コラム

プレイングマネージャーからの卒業宣言。アトツギ経営者が経営企画室BPOに問い合わせる前に準備すべき3つのリスト

地方企業の経営者、とりわけ家業を引き継いだアトツギにとって、現場の最前線で汗をかくプレイングマネージャーからの卒業は、会社を次のステージへ引き上げるための最優先事項です。社長一人が営業、製造、総務、そして経営判断までを担う体制には必ず限界が訪れます。この限界を突破し、経営者本来の役割である未来の構想に集中するためには、経営企画機能を外部に求めるBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の活用が極めて有効な選択肢となります。

結論から申し上げます。経営企画室のBPOを成功させ、理想の右腕を手に入れるためには、外部へ問い合わせる前に経営者自身が頭の中を整理しておく必要があります。準備なしに外部へ頼っても、何を任せればよいか分からず、結果としてコストだけがかさむ事態になりかねません。

本記事では、プレイングマネージャーを卒業し、強力な伴走者を得るためにアトツギ経営者が準備しておくべき3つのリストについて、その重要性と作成のポイントを詳しく解説します。

プレイングマネージャーという呪縛からの脱却

多くのアトツギが、先代から受け継いだ現場を愛し、社員と共に苦労を分かち合うことに価値を感じています。しかし、社長が現場に居続けなければ業務が回らない状態は、組織としての脆弱性を露呈しています。

社長が現場の実務に追われている時間は、会社にとって最も高価なリソースが浪費されている状態です。本来、その時間を使って新規事業の種を蒔き、組織の仕組みを整え、財務戦略を練るべきです。経営企画室のBPOは、社長を実務から解放し、経営判断の精度を高めるための加速装置です。

この装置を正しく稼働させるためには、導入前のセットアップが欠かせません。それが、これから紹介する3つのリストです。

準備すべきリスト1:手放すべき実務タスクの棚卸し

最初のリストは、現在あなたが抱えている業務のうち、自分ではなくても遂行可能な実務をすべて書き出すことです。これを、私は手放すものリストと呼んでいます。

まず、一週間のスケジュールを振り返り、1時間以上費やしているタスクをすべてリストアップしてください。その中から、判断を伴わない集計作業や、定例の会議設定、資料の作成、進捗の確認といったタスクを抽出します。

アトツギ経営者が陥りがちなのは、これらの細かな実務を自分がやった方が早い、あるいは自分にしかできないと思い込むことです。しかし、経営企画のプロフェッショナルは、それらの実務をより効率的な仕組みに変え、あなたの代わりに管理する能力を持っています。

自分の時給を1万円以上だと定義したとき、その作業に自分の時間を投じる価値があるか。このシビアな視点で、外部へ切り出すべき業務を特定することが、BPO活用の第一歩となります。

準備すべきリスト2:理想の右腕に求める役割と資質

二番目のリストは、外部パートナーにどのような立ち位置で自社に関わってほしいかを定義する、パートナー像リストです。

経営企画室の役割は多岐にわたります。あなたの会社が今、最も必要としているのはどのような機能でしょうか。以下の3つのタイプから、優先順位を決めてください。

一つ目は、分析・管理型です。散らばった数値を集計し、グラフ化し、経営判断の材料を正確に揃えてくれる機能です。どんぶり勘定から脱却したい場合に適しています。

二つ目は、推進・実行型です。決まった方針を現場の社員に伝え、プロジェクトの進捗を管理し、ゴールまで粘り強く並走してくれる機能です。アイデアはあっても実行が伴わない組織に必要です。

三つ目は、軍師・壁打ち型です。社長の抽象的なビジョンを論理的な戦略に落とし込み、時には厳しい意見も言う相談相手としての機能です。孤独な決断を強いられるアトツギにとって、精神的な支えにもなります。

どのような性格の人物なら自社の現場社員と馴染めるか、どのようなコミュニケーション頻度を望むか。これらのソフト面での要件を整理しておくことで、ミスマッチのないパートナー選びが可能になります。

準備すべきリスト3:創出された時間で成し遂げたい未来の優先順位

三番目のリストは、BPO導入によって生まれた自由な時間で、あなたは何を成し遂げたいのかを明確にする、未来の集中リストです。

これが最も重要なリストです。実務を手放す目的は、単に楽をすることではなく、より価値の高い仕事にシフトすることにあります。もし、時間が空いたことで、また別の現場実務に手を出してしまっては、BPOを導入した意味がありません。

創出された月間数十時間、あるいは数百時間を使って、あなたは以下のどれに着手しますか。

  • 3年後の収益の柱となる新規事業の立ち上げ
  • 採用難を突破するための採用ブランディングの強化
  • 現場の生産性を劇的に高めるITツールの導入検討
  • 地域ネットワークの構築やトップセールス

やりたいことは山ほどあるはずです。その中から、今の会社にとって最もインパクトの大きい上位3つを書き出してください。このリストがあることで、外部パートナーはあなたの時間を守るために、どの実務を優先的に引き受けるべきかを判断できるようになります。

問い合わせる前に知っておくべきBPO活用の勘所

3つのリストが準備できたら、実際にBPO企業やコンサルタントに問い合わせる段階に入ります。その際、アトツギ経営者が心得ておくべきことがあります。

それは、BPOは丸投げではなく、共創であるという意識です。外部のプロは、あなたの会社のビジョンを魔法のように作り出すことはできません。あなたのビジョンという種があり、それを育てるための土壌をプロが整える。この関係性を理解している経営者は、外部リソースを最大限に使いこなすことができます。

また、地方企業だからこそ、外部の知見を積極的に取り入れることには大きな優位性があります。地方の労働市場では、経営企画のプロを採用することは極めて困難です。しかし、BPOという形であれば、都市部の大手企業で経験を積んだトップクラスの知恵を、必要な分だけ活用することができます。固定費を抑えながら、最強の脳を外付けできる。これが、現代の賢い経営戦略です。

プレイングマネージャーを卒業する覚悟

リストを準備する過程で、あなたは自分がいかに多くの実務に縛られていたかに気づくでしょう。同時に、現場を手放すことへの一抹の寂しさや不安を感じるかもしれません。

しかし、その不安こそが成長のサインです。現場から一歩引くことは、社員を信頼し、組織としての自走を促すことでもあります。あなたが現場の作業員ではなく、真のリーダーとして舵を切り始めたとき、会社はかつてないスピードで変化し始めます。

3つのリストを作成し、外部パートナーとの面談に臨んでください。リストがあることで、あなたの真剣さとビジョンは相手に正確に伝わります。プロは、準備ができている経営者を全力で支えたいと願っています。

まとめ:卒業の準備が、新しい成長の始まり

プレイングマネージャーからの卒業宣言。それは、あなたが経営者としての誇りを取り戻し、会社の未来を自分の手で切り拓くという決意表明です。

  1. 自分の時給を意識し、手放すべき実務をすべて書き出す。
  2. 自社に必要なのは分析か、推進か、壁打ちか、パートナーの役割を定義する。
  3. 空いた時間で成し遂げるべき未来の優先順位を明確にする。

この3つのリストが完成したとき、あなたはすでに卒業への階段を半分登っています。あとは、信頼できるパートナーを見つけ、共に歩み出すだけです。

孤独な戦いはもう終わりです。外部のプロフェッショナルという強力な翼を手に入れ、アトツギにしか描けない、新しい時代の経営を今すぐ始めてください。

まずは、あなたが今日一日の中で行った作業のうち、プロに任せられたはずのものを1つだけ書き出してみてください。その小さな一歩が、数年後の大きな飛躍へと繋がっています。

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