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経営録

2025.05.11

地方企業が採用サイトに掲載すべきコンテンツ10選

地方企業ならではの強みや魅力を最大限にアピールするために、採用サイトにどのようなコンテンツを載せればよいのか。特に老舗企業の歴史的背景や地域との結びつき、そこから生まれる壮大な仕事、さらに都心と比べた生活コストの低さなどを強調しながら具体的な案を提案します。地方企業が“自社だからこそ”出せる魅力をしっかりと発信し、優秀な人材を獲得する参考にしていただければ幸いです。

1. はじめに:なぜ地方企業には“独自の魅力”があるのか?

日本では、どうしても大都市圏が就職先として人気が高い傾向がありますが、地方には地方ならではの強みが数多く存在します。特に、長い歴史を持つ老舗企業や、地域と行政との濃い結びつきを活かした“壮大な事業”、そして生活コストが都心より安いというアドバンテージは、若手を含めた多くの求職者の興味を引く可能性があります。

しかし、その強みを知らないまま「地方企業は規模が小さくて、給与も安い」「キャリアを築けないかも」という先入観で敬遠されてしまうケースも未だにあります。そんな誤解を払拭し、人材獲得のチャンスを広げるのに効果的なのが、採用サイトでの情報発信です。

以下では、“地方企業が採用サイトに載せるべき10のコンテンツ”を具体的に紹介します。特に、老舗ならではの歴史を魅力的に伝える方法、地域や行政との協力関係、生活コスト面のメリットなどをどうアピールするかに焦点を当て、実例を交えて解説します。

2. 採用サイトに載せるべきコンテンツ10選

2-1. 企業の歴史とストーリー:老舗の“歩み”を伝える

(1) コンテンツの概要

地方企業が都心の企業と差別化を図る大きなポイントが、老舗ならではの歴史や伝統です。創業当時からの背景や、何代にも渡って受け継がれてきた価値観をストーリーとして掲載しましょう。たとえ100年以上の歴史がなくても、地域に根ざして培われてきた独自の文化や逸話は十分に魅力的です。

  • なぜ必要?
    歴史の深さや長寿企業の背景は、多くの若手求職者にとって「すごい」「誇りを感じられそう」と映ります。短期間で消えていく企業が多い中、長く続けてこれた秘訣を知りたくなるもの。

(2) コンテンツの作り方

  • 創業者の想い、地域とのエピソード: 例えば、「明治時代に地元商店街で始まった製造業が、町民との協力で発展してきた」など、物語性を持たせる
  • 社史や年表に留まらない“ストーリー化”: 年表だけ掲載するのではなく、成功や苦労話、転機となった出来事などを文章や写真で魅力的に伝える
  • 先代や現経営者の談話: 「この企業をどうして続けてこられたか」「歴史を通じて守ってきたものは何か」をインタビュー形式で紹介

(3) メリット

  • 応募者が会社の背景を深く理解し、自分がその歴史の一部になるイメージを持てる
  • 老舗ならではのブランド力が増す。長年地域とともに歩んだ企業の安心感や重みを感じてもらえる

2-2. 地域や行政との結びつきを具体的に示す

(1) コンテンツの概要

地方企業が持つ大きな強みとして、自治体や地域コミュニティとの密接な連携があります。補助金や行政サービスを活用しての大規模プロジェクト、地域行事への協力、地元住民や学生との交流イベントなど、都会では味わえない“地域密着”エピソードを紹介するのが効果的です。

  • なぜ必要?
    若手求職者の中には、地域に貢献できる仕事をしたいと思う人や、Iターン・Uターン転職を考える人が増えています。地域との強い結びつきは、**“働く意義を感じられる場所”**として魅力を高めるポイントになるでしょう。

(2) コンテンツの作り方

  • 行政と協力して実施したプロジェクト事例: 「◯◯県の観光振興策に参加し、新しい施設を設計・運営した」といった具体例
  • 地元への還元活動やCSR: 地域祭りのスポンサーや、地元高校生のインターン受け入れなど
  • コラボや共同開発の成果: 他企業や商工会との連携が活発な場合、それを写真や動画で紹介

(3) メリット

  • **“壮大な仕事”**が見えやすい。行政や地域を巻き込む大きなスケールの仕事をアピールし、「地方だからこそ実現できるビッグプロジェクトもあるんだ」と感じさせられる
  • 社員自身が地域や行政と深く関わることで、社会的意義を強く感じられる仕事と分かる

2-3. “壮大な仕事”を具体的に伝える

(1) コンテンツの概要

地方企業だからといって、小さい仕事ばかりをやっているわけではありません。大都市圏とは異なる視点や資源を活かして、意外に大きなプロジェクトを展開している企業も多い。例えば、インフラ整備、農業関連の大規模プロジェクト、観光開発など、都市部では味わえない規模感があります。

  • なぜ必要?
    若者の中には「地方企業は小さな範囲の業務だけ」というイメージを持つ人もいるため、その誤解を解消し、魅力的な大きな挑戦をしていることを伝えることが重要。

(2) コンテンツの作り方

  • プロジェクト事例集: 「年間○○億円規模の観光開発を手掛けた」「地域全体のインフラを整備し、行政とも協働している」など
  • ビフォーアフターや成果報告: 大規模プロジェクトで地域がどう変化したか、数字や写真で示す
  • 社員インタビュー: 実際に関わった社員に「なぜやりがいがあるか」「どんな苦労があったか」を語ってもらう

(3) メリット

  • “地方でもダイナミックな仕事が可能”という認識を求職者に与え、都心部志向の人にも興味を持たせる
  • 大きな仕事に携わることで成長できる、というキャリアの見通しを提示

2-4. 都心と比べた“生活コストの低さ”を強調

(1) コンテンツの概要

地方企業の大きな強みの一つが、都心と比べて家賃や物価などの生活コストが低いことです。採用サイトでその具体的な数値や生活イメージを示すことで、Iターン・Uターン、地方移住を考えている人に響く要素となります。

  • なぜ必要?
    若い人の中には「地方は給与が低い」と思いがちですが、生活コストも低いため、実質的な可処分所得や生活の豊かさを強調できれば魅力に映る可能性が高い。加えて、家族で移住を検討している人も「子育てコスト」「住居費」などを重視するため、情報提供が効果的。

(2) コンテンツの作り方

  • 家賃比較や生活費シミュレーション: 都心と自社がある地域の家賃相場(1DK, 2LDKなど)を具体的に表示
  • 交通費や通勤時間: 「都心で1時間かかる通勤が、ここでは車で15分」といった例を出す
  • **“〇〇万円台でも戸建てが買える”**など、将来的なライフプランを示唆する情報

(3) メリット

  • “生活面でのゆとり”や“家族との時間を増やせる”など、ワークライフバランスの魅力をアピールでき、都市部からの移住希望者に刺さりやすい
  • 地域特有の自然環境や、趣味(アウトドア、スポーツ)を楽しめる要素とも合わせて伝えると、より説得力が増す

2-5. “社員インタビュー”で“働くリアル”を届ける

(1) コンテンツの概要

採用サイトでは、実際に働く社員の声が求職者にとって非常に参考になります。特に地方企業の場合、「地域でこんな暮らしや働き方をしているんだ」というイメージが湧くよう、生活面や家族とのエピソードなども含めて語ってもらうといいでしょう。

  • なぜ必要?
    若手は「どんなメンバーがいるのか」「地方生活はどんなメリット・苦労があるのか」を知りたい。実在する社員の生の声こそ、信頼を高める要素になる。

(2) コンテンツの作り方

  • 質問例: 「地方で働くやりがいは?」「都心との違いは?」「どんな仕事が壮大だと感じる?」「老舗企業で歴史を感じる瞬間は?」
  • 写真や動画: インタビューとあわせて、オフィスや工場、働いている現場の写真を掲載
  • 多様な部署・年代: 若手社員、ベテラン社員、マネージャーなど、それぞれの視点で話を聞く

(3) メリット

  • 具体的な一日の流れ企業文化が伝わり、求職者が“自分がここで働くイメージ”を抱きやすい
  • 老舗企業に入ると「堅いイメージ」があるかもしれないが、社員の素顔を見ると親しみやすく感じる

2-6. “仕事の流れ”や“1日のスケジュール”紹介

(1) コンテンツの概要

地方企業に興味がある求職者でも、具体的にどんな業務をこなすのか、1日の流れがどうなっているのか分からないと、応募をためらうかもしれません。そこで、部署別や職種別に「出社→午前の業務→昼休み→午後の業務→退社」といったスケジュールをサンプルとして見せると、仕事のリアリティが高まります。

  • なぜ必要?
    特に都市部から移住を考えている人は、「朝何時に出社?通勤手段は?帰りは何時ごろ?」など気になる情報が多い。これを具体的に示すと安心材料になる。

(2) コンテンツの作り方

  • 職種別タイムテーブル: 営業職、技術職、事務職それぞれで1日の流れを記載。ポイントとなる業務内容や移動時間、突発対応なども書くとリアルに
  • 写真付き: 仕事している様子や社内、地域の風景などを挟み込むと臨場感が増す
  • 終業後の過ごし方: 地方の魅力として、仕事終わりに釣りや農作業、夕方散歩など、都会にはないライフスタイルを提示するのも効果的

(3) メリット

  • 求職者が具体的な生活リズムを想像し、「これなら自分にも合いそう」と判断しやすい
  • 仕事の特徴(長時間労働が少ない、現場巡回が多いなど)を正直に伝えることで、ミスマッチを減らせる

2-7. 社内行事やイベント:地域との関わりを見せる

(1) コンテンツの概要

地方企業は、しばしば地域の祭りやイベントに深く参加したり、社内の独特な行事を持っていたりします。そうした取り組みを採用サイトで紹介することで、仕事以外でも地域と一緒に盛り上がれる楽しさをアピールできます。

  • なぜ必要?
    今の若者は「働くやりがい」と同時に「コミュニティの一員としての充実感」を重視するケースが多い。地域のイベントや社内行事の様子が見えると、“会社で働きつつ地域に溶け込める”イメージが得られる。

(2) コンテンツの作り方

  • 季節ごとの行事一覧: 「春の◯◯祭り」「夏は◯◯バーベキュー大会」「秋は地元の収穫祭に参加」など、写真と簡単な説明を添える
  • 社内の独自文化: 例えば、毎朝ラジオ体操&地域清掃をするとか、定期的に全社員が参加する“感謝祭”があるなど
  • イベント参加者のコメント: 「地域の人と一緒に神輿を担ぐのが楽しい」といった社員の声を載せる

(3) メリット

  • “地域に根差した会社らしさ”が伝わり、「この会社なら地元や住民と一緒に何かをやって楽しめる」と感じてもらえる
  • 社内行事を通じて社員同士の仲の良さや雰囲気をアピールできる

2-8. 福利厚生やサポート制度:地方ならではの魅力

(1) コンテンツの概要

地方企業の場合、都会と異なる形での福利厚生やサポート制度(住宅手当、社宅、交通費、車通勤OKなど)を設けていることがあります。これを採用サイトで具体的に示すと、「都会の大手だけが福利厚生が充実しているわけではない」と意外感を与えられます。

  • なぜ必要?
    給与水準だけでなく、生活に直結するサポート(家賃補助、引越費用補助など)があれば、都会からの移住候補者にもアピールしやすい

(2) コンテンツの作り方

  • 一覧表: 各種手当や制度をまとめる(住宅手当、通勤手当、育児支援、資格取得支援など)
  • 制度の背景や狙い: なぜその制度があるのか、どんなメリットがあるかを具体例で説明
  • 社員インタビュー: 「家賃補助のおかげで広めの部屋に住め、家族との時間が充実」「通勤時間が短くて助かる」などリアルな声

(3) メリット

  • 地方での生活が経済的にもサポートされていると分かり、移住や転職のハードルを下げられる
  • 待遇面だけでなく、会社が社員を大切に考えている印象を与えられる

2-9. キャリアパスと教育制度:地元企業でも成長できる

(1) コンテンツの概要

「地方企業だとキャリア形成が限られるのでは?」という不安が求職者に根強くあります。この誤解を解くためにも、社内でのキャリアステップ(例:入社〇年でリーダーに、部長への昇進基準など)や、教育研修制度(メンター制度、OJT、外部セミナー参加など)をしっかり開示しましょう。

  • なぜ必要?
    若手は「成長し続けたい」「スキルアップしたい」と考える傾向が強い。地方企業でも大きなキャリアアップが可能であることを見せれば、応募のモチベーションを高められる。

(2) コンテンツの作り方

  • キャリアモデル図: 社員の成長モデルを図示し、〇年目でリーダーになった例、部長や専門職への道などを示す
  • 研修プログラム一覧: 入社時研修、中堅研修、管理職研修、外部講習支援など
  • 資格支援や海外派遣: もしあれば「海外取引先視察のチャンス」や「地元自治体主催の国際プロジェクトに参加できる」なども魅力的

(3) メリット

  • 「地方でも大きなキャリアアップが可能なんだ」と思わせ、優秀な人材の応募意欲を高める
  • 社内の成長文化や人材育成方針を明らかにすることで、理念に共感する人材を引き寄せる

2-10. 社長・経営陣のメッセージ:地域への想いや未来ビジョン

(1) コンテンツの概要

最後はやはりトップの言葉です。地方企業の場合、社長や経営陣が地域に賭ける想いや、これからの事業構想(ビジョン)をメッセージとして掲載するのが非常に効果的。若手求職者は、トップがどんな価値観を持ち、どんな未来を描いているかに興味を持ちます。

  • なぜ必要?
    地方企業の魅力として、トップとの距離が近く、ビジョンを間近に感じられる点があります。ここに共感して入社を決める人も多いため、経営層の真摯なメッセージは強い説得力を持ちます。

(2) コンテンツの作り方

  • インタビュー形式: 会社を通じて地域にどう貢献したいか、老舗ならではの歴史や責任をどう捉えているか
  • 将来の展望: 「5年後、10年後にこんな事業を展開し、地元をこう変えたい」という熱意
  • 写真や動画: 経営者が自社の工場や地域の風景を背景に語る映像があると効果的

(3) メリット

  • ビジョンに共感する人が**“自分もその一員になりたい”**と応募意欲を高める
  • 老舗ならではの重み(先代の精神)を受け継ぎつつ、新たな挑戦をする姿勢をアピールできる

3. “地方企業らしさ”を最大限アピールし、優秀な人材を呼び込もう

ここまで述べたとおり、地方企業が採用サイトに掲載すべきコンテンツとして、

  1. 企業の歴史とストーリー
  2. 地域・行政との結びつき
  3. 壮大な仕事の事例
  4. 都心と比べた生活コストの低さ
  5. 社員インタビュー
  6. 1日のスケジュール紹介
  7. 社内行事・イベント
  8. 福利厚生やサポート制度
  9. キャリアパスと教育制度
  10. 社長・経営陣のメッセージ

という10の内容を整理しました。

結論として、地方企業は老舗ならではの歴史や、地域との強い繋がり、ライフコストの安さや大きな仕事スケールなど、都心にはない魅力が山ほどあります。しかし、それをただ漠然と書くだけでは伝わりきらず、誤解されたまま「地方は仕事が少ないんじゃない?」などのイメージを与えてしまうかもしれません。

そのため、採用サイトでどう情報を構成するかが極めて重要です。大事なのは、「都会にはない要素」を観点ごとにまとめ、視覚的にも分かりやすく見せること。さらに、社員インタビュー社長のビジョンなどのストーリー性を組み合わせることで、求職者が「ここで働く自分」を具体的に想像できるようになります。

老舗ならではの歴史をしっかりと紐解くことは、企業のアイデンティティを確立するうえでも効果的です。何代にも渡り地域とともに成長してきた姿勢や、変わらずに守り続けている精神を、採用サイトでストーリー仕立てにすれば、応募者は「こんな壮大な歴史に自分も関われるのか」と心を掴まれるでしょう。

また、地域や行政との協力事例を紹介すれば、単にビジネスをするだけでなく、地域を活性化する“やりがい”を打ち出せる。一方で、生活コストの低さや独自の福利厚生を明示することで、移住を検討する都会の若者や家族持ちの中堅人材に「こんなに暮らしやすいんだ」と安心感を与える。

最後に、経営陣の想いやビジョンを通じて、「今後どう成長していきたいか」「どんな人に入ってきてほしいか」を鮮明に伝えれば、理念に共感する人材が自ずと集まりやすくなります。

“地方企業らしさ”を採用サイトで最大限発揮し、若手に魅力ある職場を打ち出すことが、優秀な人材を呼び込み、かつ地域に根差しながらビジネスを拡大していく鍵と言えます。

4. まとめ

地方企業にとって、採用サイトは都市圏の競合と争う際の重要な“武器”です。なぜなら、地方ならではの強みをちゃんと理解してもらえれば、都心にはない魅力が存在するから。それを端的に伝えるには、上記のように老舗としての歴史地域・行政との結びつきなどを具体的なエピソードや写真、社員インタビューを交えて掲載することが効果的です。

さらに、都心と比べた生活コストの低さ壮大な仕事に取り組むチャンスなど、若手が「こんな働き方もあるんだ」と思えるストーリーを提示することで、地方企業のイメージが一変します。

もちろん、採用サイトにこれらのコンテンツを掲載しただけで即座に応募が殺到するわけではありません。大切なのは、“見せ方”と“情報の深さ”です。たとえば、

  • 写真や動画で地域の風土や職場の雰囲気を伝える
  • 社員インタビューでリアルな声を届ける
  • キャリアパス福利厚生をわかりやすく整理する
  • 社長の熱い想いをインタビュー形式で引き出し、老舗の誇りと未来を描かせる

こうした工夫で、地方企業の潜在的な強みを最大化し、求職者に「ここでなら自分も大きく成長できる」「地域と一緒に新しいことを作っていける」と感じさせることが鍵です。

ぜひ、本記事で紹介した10のコンテンツをヒントに、採用サイトを魅力的な場へとブラッシュアップしてみてください。地方企業だからこそ語れる歴史や文化、地域との結びつきをアピールし、これまで都市部に流れていた人材を引き寄せ、共に未来を築く仲間を集めましょう。